田口くんはKAT-TUNを辞めるらしい


「僕、田口淳之介は来年の春をもちましてKAT-TUNを離れジャニーズ事務所を退所することとなりました」


嘘だと思った。田口くんがいなきゃ生きていけないと思った。田口くんじゃなきゃダメなんだと思った。

LINEが次々と来た。「大丈夫?」大丈夫じゃなかった。

お風呂に入った。シャワーから出るお湯なのか自分の目から流れる涙なのか分からないくらい泣いた。

朝が来た。テレビを見てもツイッターを見ても「KAT-TUN田口 来春脱退」の文字が並んでいた。昨日の出来事はどうやら嘘ではなかったそうだ。

最寄駅に着いた。売店で各スポーツ紙を一部ずつ買った。レジのおばちゃんに「何か載ってるの?」と聞かれた。零れそうな涙を必死に堪えながら静かに頷いた。

学校に着いた。何人かのクラスメートに「田口くん、辞めるんだね」って言われた。「そうだねー」「びっくりだよー」そう答えた。

昨日と変わらず笑った。喋った。それが一番いいと思った。心配してほしい、そんなことは思っていないけれど心配させるようなことは出来なかった。

駅ですれ違う人もクラスメートも皆昨日と変わらなかった。私だけ世界が180度変わってしまったような気がした。


抜け殻のように毎日どういう感情なのかも分からずただただ泣いた。



でも、その感情が次第に変わっていった。
もう勝手にすればいいじゃん、どうせ結婚でしょ、辞めるって決まってるのに春まで居座りつもり?今すぐにでも辞めたら?

申し訳ないけど正直本当にこう思っていた。怒れる、呆れた、疲れた、全てを投げ出して目を瞑って見ないフリをしたかった。

KAT-TUNを見るのがツラかった。タメ旅は数週間分も見れずに溜まっていた。その代わりに脱退を発表したあのシーンを何度も見た。


田口くんの30歳の誕生日を迎えた。賑わうTLを眺めながらおめでとう、そう小さく呟いた。ケーキを準備しよう、田口くんの誕生花を買おう、何もする気が起きず楽しみにしていたこの日はあっという間に時間が過ぎていった。



FNS歌謡祭を見た。優しく微笑み、頭を下げる田口くんがいた。
少プレを見た。たくさんの人にお祝いされて嬉しそうに笑い、目頭を押さえ涙を堪える素振りを見せる田口くんがいた。泣いてたけど。



その時だった。
ハッとした。


向き合わなければいけないと思った。前を向かなければいけないと思った。それを気付かせてくれた。
大好きな大好きな田口くんが。

私の大好きな田口くんはアイドルとして、ジャニーズとして、KAT-TUNとしてそこに存在していた。
辞めないでって何度でも言いたい、もしかしたら未来が変わるかもしれないって願いたい。でも、もし、もしもその日が来てしまうのなら、その日が来るまでちゃんと田口くんを応援しよう。そう決意した。何があってもこの気持ちは揺るがない、と。



一万字を読んだ。「アイドルという夢を与える職業は僕には荷が重すぎた」という言葉にはやはり引っかかるものがあったけど、そんなこと田口くんに言わせたくなかった、っていうのが本音。ああ、もう遅いか。


ツイッターでは心無い言葉を何度も目にした。「田口がちゃんと自分の意思で決めたんだから10周年は3人でやらせてよ」「他力本願」「3人に甘えすぎ」



本当にそうだろうか?
田口担ではないにせよ、去年田口くんのファンになった私よりもずっとずっと長くKAT-TUNを応援し、見てきているはずなのにどうしてもっとちゃんと見てあげようとしなかったんだろうか?

一体田口くんの何を見てきたんだろうか?


抜けた2人のパートをだんだん上手く歌えるようになって、いつだって最初から最後まで全力で全身全霊で素晴らしいダンスを見せてくれて、脇役でも演技上手かったよねって注目してもらえた。

亀梨くんがそうであるように、上田くんがそうであるように、中丸くんがそうであるように、田口くんだっていつだってKAT-TUNに真っ直ぐ向き合ってきた。


そうじゃないの?
田口くんのことを悪く言っていいのはメンバーだけだよ、ファンはいつだって背中を押してあげれる味方でいてよ。



モニタリングを見た。中丸くんと田口くんのことを見ずに上田くんは「素直で良い奴らって事ですよ」と言った。田口くんは穏やかな表情で「スゴいエネルギーをつかってくれてありがたかったです」と言った。



ここまでが一ヶ月。
怒涛すぎやしないか。

一ヶ月でこんなにいろいろな思いを体験するなんて、生きてきてそうそうないと思った。冗談抜きで。



30歳を目前に自分の人生を考えたとき、何度も何度も悩んだろうけど最後はKAT-TUNを選んでほしかった。やっぱり俺にはKAT-TUNしかないから、そう思ってほしかった。

決して責めているわけではないけど3人にはKAT-TUNには田口が必要なんだよ、って力づくでもいいからそうすがってほしかった。繋いだ手を離してほしくなかった。



私は田口淳之介が世界で一番好きだ。
あなたが僕には荷が重すぎたと言ったアイドルという職業を、いつだってあなたの味方でいてくれるファンを、あなたの意思を尊重して送り出してくれるメンバーを、青春を過ごしたKAT-TUNを、どうか誇りに思って胸を張ってこれからも生きてください。

願わくばこれから何年先だってあなたと年を重ねて生きていきたかった、笑いたかった、泣きたかった、大好きだと叫びたかった。
10周年も20周年もその先もお祝いしたかった。



いつか訪れる最後の日まであなたのファンであり、KAT-TUNのファンであり続けることをここに誓います。











って言おうと思ったんだけどさ、クリスマスイブの日まではそう思ってたんだけどさ、やっぱり、やっぱり辞めてほしくないよ、田口くん。そう思わずにはいられないよ。


クリスマスが訪れた。Mステを見た。世界で一番、田口くんが好きだと改めて思った。ベストアーティスト以来に声を出して泣き喚いた。お願いだから、いなくならないでと何度も叫んだ。田口くんのいない未来が全く、全く見えないんだ。


パフォーマンスで真っ向勝負をしたKAT-TUNがあまりにもかっこよかったから。美しかったから。誇らしかったから。4人のKAT-TUNを諦めきれないから。


田口くん、あなたのことが
大好きで大好きで仕方がないから。



未来を、運命を変えたい。田口くんの意思を変えたい。

一人では出来ないけど一緒になって田口くんに戻ってきてほしいと叫ぶファンが集まれば出来るんじゃないか、そう思ってしまう。例え届かなくても、じゃなくて必ず届かせる。田口くんに届けたいんだ。



世間から批判されたって、軽蔑されたってそれでもいい。
大好きな田口くんと田口くんのいるKAT-TUNを守りたい。
田口くん、まだKAT-TUNやろうよ。戻っておいでよ。






お願いだから、どこにもいかないで。


春なんて、最後の日なんて、来ないで。